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Rin'sPage 函館&佐藤泰志

2002年佐藤泰志を知るも本が絶版で、2005年まで函館に通い佐藤泰志探求をした*りん* (東京在住)のブログ。更新情報はツイッター @rinspage1 にUPします。

1992年 辻仁成が語った佐藤泰志 & 辻作品も函館が登場します

そこのみにて光輝く 佐藤泰志 辻仁成

私は辻仁成のフォトエッセイ「函館物語」をきっかけに2002年函館に行き、そこで佐藤泰志を知りました。辻仁成佐藤泰志と同じ函館西校卒業。中学3年から高校卒業までの4年間を函館で過ごしました。今はパリで、シングルファーザーとして子育てに奮闘していますね。

↓ 八幡坂を登ると二人が通った函館西校

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二人は10歳離れており直接会う事はありませんでしたが、1990年に佐藤泰志が亡くなった後1992年 同人誌「ガギュー」辻仁成が創刊し佐藤泰志特集を組んでいます。この中の福間健二氏との対談で辻仁成が語った事が、とても興味深いのでご紹介します。(青字はガギューから引用)

 

こんな作家、今までにいなかった(中略)「そこのみにて光輝く」や「大きなハードルと小さなハードル」を読んだ時のこの作家が、この地方都市に、こだわったというすごさにね。僕が書いていることなんて、この人が歩いていることの一歩にも、及ばないんだろうな

 

(前略)佐藤さんの小説を読むと、僕よりもずっと、もっとぎりぎりに死を見つめ物を書いている人がいたんだと。

 

佐藤泰志の作品に衝撃を受け、彼の人生にも興味を持った事を熱く語っています。1997年辻仁成は海峡の光で芥川賞を受賞しますが、受賞のはるか前、このガギューで賞について触れています。

 

 (前略)日本の場合 (中略)賞をとって何か印籠を渡されるような、何かそういうシステムがあるように思う

 

その大きな犠牲を彼は魂を削りながら、たぶん気づきながらもその悲劇の中へ入り、近づいていったような所があったと思う

 

賞に関しては二人全く違う結果となりましたが、それぞれ独自の視点から函館を見つめている事が、二人の作品を読んでいると感じられます。函館に興味を持った方、辻仁成の作品も読んで見てはいかがでしょうか。

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ここからは辻仁成の函館関連作の感想。

かなり前2002年~2003年に読みました。

★は私の主観でつけたお勧め度です。

 

 <書籍>

 

函館物語 ★★★★★

筆者独自の視点から、写真と文章で函館の街を綴ったエッセイ集。私を 函館へと導いた重要な一冊。

 

海峡の光 ★★★★★

青函連絡船・函館少年刑務所を舞台にした芥川賞受賞作。函館の影を舞台に、人間の邪悪な心を見事に描いている。

 

愛をください ★★★★★

李理香と基次郎、二人が交した手紙で構成された小説。基次郎は函館ロープウェイの運転手という設定。四季折々の函館を存分に描いた作品。2000年にドラマ化。

 

クラウディ ★★★★

1976年に函館空港で起こった「ベレンコ中尉亡命事件」がテーマの小説。筆者の実体験がモチーフで、函館西高が登場する。(辻仁成ベレンコに会いに行ったフォトエッセイ「世界は幻なんかじゃない」もセットで読むとより楽しめる)

 

ニュートンの林檎 ★★★

「冒険」がテーマの小説で、函館の谷地頭が舞台の一つとして登場。上下巻に及ぶ長編だが、スピード感に溢れ早く先を読みたくなった。

 

母なる凪と父なる時化 ★★★

様々な想いを抱えた少年達の青春が、函館の海や密漁を交えて描かれた小説。穴間海岸が舞台。

 

錆びた世界のガイドブック ★★

筆者が撮影した「錆びた世界」を集めた写真+短編集。函館の写真も数点掲載。

 

<ビデオ 映画>

疾走する狙撃手

1993年 VHSビデオ。コンサートの模様や、函館ロケでの詩の朗読・独白等。

 

ほとけ

2001年武田真治主演の映画。人の残酷さから愛をあぶりだす神秘的な物語。架空の街臥牛市が舞台。函館ロケで、大森浜・穴間海岸等、寂れた部分をうまく使っている。

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